先日、NHKのドキュメンタリーを見ました。
中国では、毎日ものすごい数のショートドラマが作られているそうです。
一年で何千本という作品が生まれ、その多くはAIやデータ分析を活用し、「どうすれば最後まで見てもらえるか」「どうすればバズるか」ということを徹底的に分析して作られています。
見ている間は面白い。
でも、見終わったあとには何も残らない。
そんな作品が大量に生まれているという内容でした。
もちろん、AIが悪いと言いたいわけではありません。
効率化したり、整理したり、アイデアを広げたり。
私自身も毎日のようにAIを使っていますし、本当に便利な時代になったと思います。
しかし、その番組を見ながら、ふとこんなことを思いました。
「人が時間をかけて作ったものに触れること自体が、これからは贅沢になるのではないか。」
効率だけを追い求める時代だからこそ、誰かが悩み、考え、試行錯誤しながら作ったものには、数字では測れない価値が残っていく。
そんな気がしたのです。
AI時代だからこそ、人が作るものの価値が高まる
AIは、これからますます私たちの生活に欠かせない存在になっていくと思います。
文章を書いたり、調べ物をしたり、アイデアを整理したり。
人が時間をかけていたことを、驚くほど短時間で手伝ってくれるようになりました。
だからこそ逆に、「人がわざわざ時間をかけること」の価値は、今まで以上に高くなるのではないでしょうか。
効率ではなく、想い。
最適解ではなく、その人らしさ。
そういうものを求める人は、これから少しずつ増えていく気がしています。
これは家具も少し似ています。
家具は日本で作られていても、中国で作られていても、ベトナムで作られていても、多くの職人さんや工場の方が一生懸命作っています。
だから、「どこの国で作られたから良い・悪い」という話ではありません。
でも、その中でも、
「このデザインにはこんな意味があります。」
「この座り心地を実現するために、何度も試作しました。」
「この木目を一番きれいに見せるために、この仕上げにしました。」
そんな背景を知ると、不思議と家具に愛着が湧いてきます。
家具は単なる物ではなく、その人の暮らしの一部になるものだからです。
一般的に、家具を大きく買い替える機会は、一生で4〜5回ほどと言われています。
服のように毎シーズン買い替えるものではありません。
だからこそ、
「とりあえずこれでいいか。」
ではなく、
「これを選んでよかった。」
そう思える家具を選んでほしいと思っています。
もちろん、高い家具を買うことが正解という意味ではありません。
私はレンタルもおすすめしていますし、ライフスタイルが変われば買い替えたり、手放したりすることも、とても自然なことだと思っています。
大切なのは、今の自分たちの暮らしに合った家具を選ぶことです。
「選ぶ時間」そのものが、暮らしを豊かにする
私は、家具を選ぶ時間そのものにも価値があると思っています。
ソファとラグを合わせてみる。
照明とのバランスを考える。
ダイニングテーブルの素材を比べてみる。
そんな時間は、とても楽しいものです。
暮らしが少しずつ形になっていく。
そのワクワク感は、人にしか味わえない贅沢なのかもしれません。
AIに「おすすめの家具」を聞くことはできます。
でも、
「この部屋なら、こんな暮らしができそうですね。」
「この組み合わせ、なんだか素敵ですね。」
そんな会話をしながら、一緒に悩み、一緒に決めていく時間には、また違った価値があります。
家具屋は、家具を売る場所ではなく、暮らしを一緒に考える場所
私は、家具屋は家具を売る場所というよりも、
「暮らしを一緒に考える場所」
だと思っています。
「こんな部屋にしたい。」
「子どもが生まれるんです。」
「予算は限られているけど、おしゃれにしたい。」
そんな話を聞きながら、一緒に悩み、一緒に考える。
その時間こそが、私たちの仕事です。
もし家具を買う予定がまだなくても構いません。
「こんな暮らしがしたい。」
そんな話をしに、気軽に遊びに来てください。
家具を選ぶ時間そのものが、きっと暮らしをもっと楽しくしてくれると思っています。
