老人ホームに入ることが決まったので、部屋を作りたい。

そんなご相談は、実は少なくありません。
でも、お話を聞いていると、皆さん決まってこう言われます。
「何から手を付ければいいのか分からないんです。」
施設との打ち合わせもしなきゃいけない。
役所にも行かなきゃいけない。
仕事も休めない。
その中で、ベッドを選んで、テレビを探して、冷蔵庫を見て、カーテンの寸法を測って……。
正直、それどころじゃないんですよね。
だから私は、そんな時に「家具を売ろう」とは思いません。
まずは、
「どうしたら、この人が少しでも楽になるかな。」
そこから考えます。
必要なら家電も一緒に揃えます。
布団も、カーテンも。
搬入も、設置も。
とにかく生活が始められるところまで、一緒に考えます。
家具屋なのに、家具以外の相談ばかりしている日もあります。
でも、それでいいと思っています。
私は昔から、家具そのものよりも、その先にいる人のほうが気になる性格なんです。
家具はあくまで道具です。
大切なのは、その家具があることで、その人の暮らしが少し楽になったり、不安が減ったり、「ここでやっていけそうだな」と思えること。
そこまでいって、初めて家具の役目が終わるんじゃないかと思っています。
だから、老人ホームだけではありません。
単身赴任の方も。
新婚さんも。
大学に入る学生さんも。
法人の事務所も。
民泊も。
暮らしが変わる時には、それぞれ違う「困った」があります。
その「困った」を、一緒に整理する。
それが、私たちの仕事です。
家具を買うかどうかなんて、その後でいい。
「何を選べばいいか分からない。」
「予算の中でどうしたらいい?」
そんな段階でも、遠慮なく相談してください。
家具を売ることよりも、困っている人が少し前に進めること。
私は、そのほうがずっと大事な仕事だと思っています。
